出版社:SANDWICH INC.
発
売日:2023
発売価格:11000円(税込)
ページ数:290ページ
京都の都市部から離れた田園風景の中にあり、すぐ傍には宇治川がたおやかに流れるこの地で、作者と「Sandwich」は数えきれないほどの作品を生み出してきた。その活動は到底1冊で語り尽くせるものではないが、そこに流れる創作のための濃密な時間と空気の一端を伝えることは可能かもしれない。
本書に記述、記録されるのは、「Sandwich」が現代美術の領域を超えて、人、街、社会、ひいては世界に影響を与えてきた活動の断片である。 作者と旧知の仲であり、「Sandwich」をよく知る、ニューヨークを拠点に活動するミュージアム・ディレクター、ライター、キュレータのブレット・リットマン(Brett Littman)、日本人インディペンデントキュレーター、ライターの大坂紘一郎、タイを拠点にさまざまなメディアで執筆・活動を展開するアーティストのプラープダー・ユン(Prabda Yoon)による寄稿文と、10年近く協働を続けるフランス系ベルギー人の振付家/ダンサーであるダミアン・ジャレ(Damien Jalet)のインタビューを収録。作者と4人が育んできた友情があるからこそ紡がれる言葉は、パーソナルな部分に言及しながらも客体としての作者とSandwichの本質を紐解いている。
また、2009年から14年間の活動の変遷を俯瞰的に論じ、作者とSandwichがアートシーンに与えてきた影響やその国内外における独自性といった、これまで言語化されることがなかった側面を取りあげている。
陽が昇り、月が昇り、また陽が昇る。 その淡々とした繰り返しのあらゆる瞬間に、Sandwichの営みは散らばっている。 それらを集めて眺めてみた時、そこにはどんな1日が広がっているのだろうか?